読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ナースプロジェクト公式ブログ

「フリーランスナース応援、看護師専門紹介、コンサル」ナース運営事業です。

忘れられないナースステーションのあの光景

こちらは、一人の看護師さんからの投稿コラムです。

・・・・・・・

#忘れられないナースステーションのあの光景

私は、片田舎の病院で働いている30代の看護師です。

2か月ほど前に母を亡くしました。

70代の母でしたが、腎臓が悪く、体は丈夫ではありませんでした。

自分は透析はしないといつも言っており、状態の急変と共に入院し、それは「最期の入院」を意味していました。

延命処置はしないで、という母の言葉通り、最小限の治療が行われましたが、そのかいもなく、やはり母の容体は悪化していきました。

お見舞いに行くと、深刻な症状の母の元にいる私に、看護師さん達が、話しかけてくれました。

世間話や近所の話や家族の話。処置やケアをしながら、意識のない母と側にいる私にも話しかけてくれました。

面白い話をしてくれた時は笑い、珍しい話をしてくれた時は驚き、気持ちがとても軽くなったのを覚えています。

と同時に、それまで自分はこんな言葉かけが出来ていなかったことに恥ずかしくもなりました。

これは、看護師として心も学びも足りなかった私への、母からの最期のメッセージのように私は感じていました。

 

いよいよ、もう残りの命が消えようという時、母は私達家族に囲まれていました。

皆で見守り、見送るまでのその間は、病室には家族のみでした。

呼吸が止まったその瞬間、私は、病室の隣のナースステーションに声をかけようと部屋を出ました。

その瞬間、私は、思ってもいなかった光景を目にしました。

 

時間は17時55分。

17時半が終業時間だというその病棟のナースステーションには、日勤の看護師さんが沢山残っていました。

 

皆仕事をしておらず、静かに母のモニターを見て下さっていたのです。

そしてその中心には担当の先生が椅子に座って、やはり、じっとモニターを見つめていました。

皆で見守って下さっていたんだ、というのが一瞬でわかりました。

 

 

私の姿に気が付いた担当の若い看護師さんが、すぐに母の所に来て、状態を見て、医師に報告しました。

もう、モニターはフラットになっており、先生が母の最期を告げてくれました。

その時、私の心の中には感謝の気持ちしかありませんでした。

終業時間を過ぎても、皆で密かにナースステーションから見守っていていて下さったその気持ちに、ただ感謝を・・。

 

 

母を通して、投げかけられた私への最期のメッセージ

それをしっかり胸に、私は今日も仕事をしています。